増刊号 191の疑問に答える周産期の栄養
新生児・乳児の栄養
1.乳児の栄養
9)乳児栄養とメタボリックシンドローム
江畑 晶夫
1
,
中野 有也
1
Ebata Akio
1
,
Nakano Yuya
1
1昭和大学江東豊洲病院小児内科
キーワード:
母乳栄養
,
離乳食
,
肥満
,
メタボリックシンドローム
,
the first 1,000 days
,
脂肪組織
Keyword:
母乳栄養
,
離乳食
,
肥満
,
メタボリックシンドローム
,
the first 1,000 days
,
脂肪組織
pp.574-576
発行日 2022年11月18日
Published Date 2022/11/18
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000642
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はじめに
メタボリックシンドロームとは,腹部肥満を必須として,脂質異常症(高中性脂肪血症,低HDL血症),血圧高値,空腹時高血糖の3つの動脈硬化危険因子のうち,2つ以上をもつ状態をいう。本症は過度な食事や運動不足などの望ましくない生活習慣を原因として内臓脂肪が蓄積し,そこからインスリン抵抗性が惹起されることによって生じると考えられ,いわゆる生活習慣病の一つに位置付けられている。2019年の国民健康・栄養調査ではBMI≧25の肥満者の割合は男性で33.0%,女性で22.3%となっており,男性では2013年から2019年の間で有意に増加している。また,近年では成人だけでなく,小児の肥満も問題になっており,その予防は喫緊の課題である。厚生労働省研究班によって作成された小児メタボリックシンドロームの診断基準を示す(表1)1)。小児メタボリックシンドロームの診断基準は,成人期への移行を視野に入れ,成人の診断基準との整合性がとられた形となっている
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