6）母乳と人工乳哺育の比較

はじめに

　日本においては生後1か月で母乳のみで哺育されている児は51.3％，人工栄養のみで哺育されている児は3.6％，生後3か月ではそれぞれ54.7％，10.2％となっている。つまり，混合栄養の児を含めると約90％の児が母乳を哺乳していることになる1）。これは乳児にとって最適な栄養が母乳であることが社会にも周知され，国や各学会が進めてきた対策の成果であるといえる。今後も母乳育児支援を継続するとともに栄養の種類によらず乳児の健やかな成長を見守り，支援することは我々の責務である。そのためには母乳哺育と人工乳哺育の特徴を知っておく必要がある。