特集 多胎児と家族への支援に取り組もう
多胎児の基礎知識
双胎児の予後
板橋 家頭夫
1
ITABASHI Kazuo
1
1愛正会記念茨城福祉医療センター
pp.1243-1247
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000313
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はじめに
双胎児は単胎児より軽く生まれることが多く,出生体重の正規分布をみると単胎児より左方にずれている(図1)1)。そのため,双胎妊娠は胎児発育不全(fetal growth restriction:FGR)の自然なモデルであると考える研究者もいる。もしそうであれば,双胎児は出生時の体格の低下と関連して発達や長期的な健康上のリスクが増加することが懸念される。本稿では,まず同じ在胎でもより低体重となることが多い双胎児が単胎児のFGRと類似したメカニズムで出生体重の低下が起こるのかに関する議論を解説し,次に発達や成人期慢性疾患に関連するこれまでの報告を紹介する。
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