Medical Scope
双胎分娩と新生児
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.122
発行日 1976年2月25日
Published Date 1976/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204996
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双胎の分娩は,私たちの仕事のなかでも非常に思い出に残る数々の名場面を作ってくれています。時には,つらい思い出につながることもあったことでしょうが,今日は,もう1回双胎分娩を,出生した新生児の側から考えてみましょう。
まず,第1児と第2児ではどちらが死亡率が高いでしょうか。この質問には諸君は一斉に,それは第2児の死亡率が高いに決まっていると答えるでしょう。そして,事実もまたその通りなのです。その原因に関しては,第2児のほうが,胎位の異常や臍帯脱出などの突発的産科異常をきたしやすく,産科手術を行なう頻度が高くなり,その結果,出生時に仮死になることも多いことになるためだという意見があります。これもその通り事実です。たとえば,第1児が娩出した後で,第2児娩出のため人工破膜したら臍帯が脱出してきたので,すぐ内回転術を行ない,足位にして第2児を娩出させた,などというのは,双胎分娩でのハイライト中のハイライトでしょう。
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