特集 双胎
双胎と早産・未熟児
松山 栄吉
1
1東京厚生年金病院産婦人科
pp.10-13
発行日 1971年9月1日
Published Date 1971/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204200
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はじめに
多胎妊娠に早産や低出生体重児分娩が多いことは,産科学の常識である。もともとひとの妊娠は単胎を原則としており,子宮内腔の広さも多胎妊娠には不十分である。そのなかに2個,あるいはそれ以上の胎児が同時に発育する場合,それぞれの胎児が互いに牽刺し合うこと,胎盤からの栄養摂取に制約があること,妊娠中毒症に罹患しやすいことなどが,早産や未熟児分娩をひき起こす原因となっている。
多胎妊娠のなかでも双胎の場合は,順調に経過する場合もかなり多いが,早産や未熟児のために育たなかったり,出産のさいに異常分娩の経過をたどって死亡することも決して少なくない。
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