特集 周産期と最先端サイエンス
境界領域:先天性疾患・遺伝性疾患への挑戦
頭蓋顎顔面領域における骨・軟骨再建―再生医療の応用についての試み
疋田 温彦
1,2
,
星 和人
3,4
HIKITA Atsuhiko
1,2
,
HOSHI Kazuto
3,4
1東京大学大学院医学系研究科臨床幹細胞医学講座
2東京大学医学部附属病院ティッシュ・エンジニアリング部
3東京大学大学院医学系研究科外科学専攻感覚・運動機能医学講座口腔顎顔面外科学
4東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科・矯正歯科・ティッシュ・エンジニアリング部
pp.984-987
発行日 2022年7月10日
Published Date 2022/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000241
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はじめに
口腔・顎・顔面は,頭部の下半分を占め,聴覚,嗅覚,味覚,視覚などのさまざまな感覚器官が集合する生体情報の窓口である。また,食べ物の入り口で,吸啜・咀嚼をつかさどる重要な消化器,運動器である。さらには,人格の象徴である顔面において,多彩な表情を作る審美臓器でもある。そのため,生活の質(QOL)の維持にはもちろんのこと,生命の維持にも必須な,きわめて大切な臓器である。このような口腔・顎・顔面には,粘膜,皮膚,神経や筋肉,唾液腺などの多くの組織が,限られた領域のなかで密接に結合し,高度な機能を営んでいる。これらの機能を実現するため,合理的ではあるがきわめて複雑な形態を呈しており,その形態を規定するのは,まさに骨と軟骨である。
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