特集 周産期と最先端サイエンス
産科領域
最新医療 母体血中胎児成分解析技術の進歩
鈴森 伸宏
1
SUZUMORI Nobuhiro
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科産科婦人科
pp.974-977
発行日 2022年7月10日
Published Date 2022/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000239
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はじめに
母体血中胎児成分解析による非侵襲的出生前検査(noninvasive prenatal testing:NIPT)は,2013年から国内で施設登録制度のもとで実施可能となっており,胎児染色体疾患に関する情報を得るためのもっとも新しい手段となっている。NIPTの利点は,羊水検査など侵襲的な検査を行うことなく,妊娠9週目以降にトリソミーの早期発見の契機を得ることができる点で,海外で高く評価されている1)。検査結果の95%以上は正常,つまり陰性であることが予想されるため,高年妊婦以外でも検査を希望するケースが増えている。
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