Japanese
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特集 細胞の少数性と多様性に挑む―シングルセルアナリシス
C.シングルセルアナリシスで見えること
母体血中胎児有核赤血球を用いたシングルセルアナリシス
Single cell analysis using nucleated red blood cells(NRBCs)in maternal blood
高林 晴夫
1,2
,
北 美紀子
1,2
,
関沢 明彦
2,3
,
北川 道弘
2,4
Takabayashi Haruo
1,2
,
Kita Mikiko
1,2
,
Sekizawa Akihiko
2,3
,
Kitagawa Michihiro
2,4
1金沢医科大学FDD-MBセンター
2一般社会法人FDD-MB Study Group
3昭和大学医学部産婦人科学教室
4山王病院
キーワード:
胎児DNA診断
,
有核赤血球
,
NRBC
,
cell-free DNA
,
母体血
,
マイクロマニピュレーション
,
FDD-MB法
,
全ゲノム増幅法
,
WGA
,
シングルセルアナリシス
Keyword:
胎児DNA診断
,
有核赤血球
,
NRBC
,
cell-free DNA
,
母体血
,
マイクロマニピュレーション
,
FDD-MB法
,
全ゲノム増幅法
,
WGA
,
シングルセルアナリシス
pp.159-163
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101597
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胎児DNA診断法として従来から羊水穿刺,絨毛採取および臍帯穿刺が広く行われているが,これらの方法は,ときとして母体,胎児への危険を伴うことがあり,染色体異常や遺伝子異常などの発症リスクの高い症例の出生前診断に適用されているのが現状である。そこで無侵襲的な手法として母体血中に存在する胎児由来細胞を使った胎児DNA診断法が研究・開発されるようになった。母体血中に胎児由来細胞が出現するのは妊娠6週ごろからであると報告されている1)。出現する胎児細胞の中でも最も有用とされているのが有核赤血球である(図1)。有核赤血球は比較的半減期が短く,核があるので胎児のDNAも保存されていると考えられ,形態的にも識別が可能である。一方,母体血漿中に胎児由来のcell-free DNAが比較的高濃度で認められることも知られるようになり,このcell-free DNAによる出生前診断も新しい無侵襲的な方法として注目されている2)。ここでは有核赤血球を用いたシングルセルアナリシスおよびcell-free DNAを使ったDNA分析の現状と近未来について紹介する。
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