Medical Scope
母体血中の胎児細胞診断
島田 信宏
1
1北里大学病院医学部産婦人科
pp.337
発行日 1996年4月25日
Published Date 1996/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901459
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癌という診断がついた症例について,私たちがもっとも頭を痛めるのは「転移」についてです。原発巣がどこであれ,転移が現在,あるのかないのか,もっと欲を言えば,今はなくても将来の見込みはどうなのか……。こんな問題をなんとかすっきり示してくれる検査法でもないものでしょうか。ここに,ひとつの光りがみえてきたのは新聞の報道などでも皆さんはもうご存知のことでしょう。
実は,人体のどこかに癌ができると,その癌細胞の一部が血液のなかにも入っていることがわかってきたのです。そして,癌遺伝子の研究から,その血中の癌細胞を取り出すことも可能になり,転移しているか,していないか診断できるようになったのです。
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