特集 周産期メンタルヘルス:最新事情
各論:新生児編
コロナ禍による家族面会への対応の変化
斎藤 朋子
1
SAITO Tomoko
1
1神奈川県立こども医療センター新生児科
pp.878-881
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002228
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はじめに
2020年に世界的流行が始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,われわれの生活に大きな影響を及ぼした。医療現場においても,未知のウイルスの感染拡大を防ぐために迅速な対応が求められ,多くの施設で家族の立ち入りが厳しく制限された。これにより,患者と家族が同じ空間で過ごす時間が奪われ,終末期であっても別れを告げられない,誰にも見守られずに最期を迎えるなどの状況が余儀なくされた。また,面会を望む家族に応えられないことへの後ろめたさや無力感を抱える医療者は少なくなく,医療現場全体に深い心理的・倫理的な負担が生じていた1)。

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