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COVID-19感染拡大直後の日本デベロップメンタルケア(DC)研究会シンポジウム「コロナ禍におけるNICUの親子支援」開催1)
2020年7月はCOVID-19感染の第2波が東京で確認されつつあった。当時,日本DC研究会のメンバーは,このCOVID-19感染がNICUにおける早産児と家族の面会を妨げ,母子間の愛着形成や退院準備としての育児指導にネガティブに作用するだろう,と暗い推測を共有していた。そこで,この状況を解決するアイディアをみんなで考えようと,2020年11月9日に急遽,全国のNICU関係者に向けて,「コロナ禍におけるNICUの親子支援」というテーマでWebシンポジウムを呼びかけた。その結果,日本の6施設に加え,海外1施設から,コロナ禍における親子支援の現状に関する真摯な報告がなされた。このシンポジウムには全国から400名の医療従事者が参加し,今後NICUの親子支援をどうしたらよいか,について活発な意見交換を行い,実際にいくつかの具体的な支援策を共有・立案することができた。当時,筆者らを含めシンポジウムの参加者も,その後コロナ禍が2年以上の長期間にわたって継続することを誰も予想していなかった。振り返ってみると,このタイミングでお互いの施設の情報を共有し,シンポジウムで学んだ対策をそれぞれの現場に持ち帰ったことで,その後の1年半にわたるNICUでの親子支援に対する準備が加速したように感じている。その意味で本稿では,2020年のシンポジウムで出された親子支援の対策案の内容を振り返り,2022年の現時点で実際選択されている対策との一致・相違点とその効果,そして海外・都市・地方の対応の違いについてまとめる。
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