特集 生殖補助医療の進歩と周産期医療
生殖補助医療(ART)の立場から
着床前検査における胚生検,遺伝子解析技術に伴う進歩と課題
佐藤 優香
1,2
,
倉橋 浩樹
1,2
SATO Yuka
1,2
,
KURAHASHI Hiroki
1,2
1藤田医科大学総合医科学研究所分子遺伝学研究部門
2藤田医科大学病院臨床遺伝科
pp.324-328
発行日 2022年3月10日
Published Date 2022/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000077
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
着床前検査には,重篤な単一遺伝子疾患児の出生リスクが高い夫婦に対して罹患児の妊娠を回避する目的で行われる「着床前胚遺伝学的検査(PGT-M)」,反復生殖補助医療(ART)不成立や習慣流産の夫婦に対して染色体異数性の胚移植を避けることで着床率の向上と流産率の低下を目的に行われる「着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)」,そして染色体構造異常をもつことで流産をくり返す可能性のある夫婦に対しその回避を目的に行われる「着床前胚染色体構造異常検査(PGT-SR)」がある。PGT-Mでは出生前診断によって生じる身体的・心理的ストレスを,PGT-A/SRでは移植をしても着床しない経験や流産をくり返すことで生じる身体的・心理的ストレスを回避することも着床前検査の大きな意義となっている。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.