特集 周産期のステロイド
臨床編:新生児
晩期循環不全に対するステロイド療法
中西 秀彦
1
NAKANISHI Hidehiko
1
1北里大学医学部附属新世紀医療開発センター先端医療領域開発部門新生児集中治療学
pp.92-96
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000020
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はじめに
晩期循環不全(late-onset circulatory collapse:LCC)は,2000年以降よりわが国での報告数が増加した早産児の合併症の一つである。在胎期間32週未満および出生体重1500g以下の児を対象とする周産期母子医療センターネットワークデータベース(NRNJ)の解析報告によると,2003年の本症の発症頻度は4%前後であったのに対し,2008年以降からはおおよそ9%前後の一定の発症頻度を示すようになってきている1)。海外では,以前よりLCCに類似した病態の報告はあったものの,LCCを一つの疾患概念として浸透はしていなかったが,近年はわが国のみならず,韓国,北米からもLCCに関連する論文が散見されるようになってきていることから,LCCが早産児における重要な疾患として世界的に認識されてきていると考えられる2~4)。
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