特集 周産期のステロイド
臨床編:産科
妊娠高血圧症候群:HELLP症候群に対するミシシッピ・プロトコール―母子の予後改善を目指して
小寺 千聡
1
,
近藤 英治
1
KODERA Chisato
1
,
KONDOH Eiji
1
1熊本大学大学院生命科学研究部産科婦人科講座
pp.68-72
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000014
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はじめに
HELLP症候群は,妊娠中あるいは分娩後に溶血(hemolysis),肝酵素上昇(elevated liver enzymes),血小板減少(low platelet)を呈する病態で1),妊娠高血圧腎症(preeclampsia:PE)を発症した妊産婦の10~20%に合併する2)。HELLP症候群は,重篤な合併症をきたすことがあり(表1)3),とくに脳出血は直接妊産婦死亡の主要な原因とされることから4),「母体安全への提言」ではPEおよびHELLP症候群に対する提言がくり返し掲げられてきた(表2)5)。
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