今月の臨床 初期治療60分—産科救急
肝不全
21.HELLP症候群
伊藤 昌春
1
,
岡村 均
1
1熊本大学医学部産科婦人科
pp.1414-1417
発行日 1995年10月10日
Published Date 1995/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902308
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1954年,Pritchardらによって報告された溶血(hemolysis),肝酵素上昇(elevated liverenzymes)および血小板減少(low platelets)を伴う子癇前症の一群を,Weinstein(1982年)は,新たにHELLP症候群と呼んだ1).本症候群は子癇前症患者の4〜20%,子痛患者の10%にみられ,母体の罹病率や死亡率のみならず周産期死亡率も増加する.予後を改善するには,迅速な診断と集学的な母児管理を要するため,症例の多くは緊急検査と集中管理態勢が整備された医療機関に搬送され管理される.
本稿では,教室における本症候群の診療指針を中心にして述べる.
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