特集 ますます必要になるかぜの専門知識
【総論】
薬剤耐性対策アクションプランとかぜ診療
阪上 智史
1
,
岩井 大
1
,
八木 正夫
1
Sakagami Tomofumi
1
,
Iwai Hiroshi
1
,
Yagi Masao
1
1関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
かぜ
,
抗菌薬
,
薬剤耐性対策アクションプラン
Keyword:
かぜ
,
抗菌薬
,
薬剤耐性対策アクションプラン
pp.1429-1432
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001867
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はじめに
抗菌薬の歴史は1928年,アレクサンダー・フレミングによる青カビ(Penicillium notatum)からのペニシリン発見に始まる1)。この偶然の発見が抗菌薬開発の扉を開き,1940年代にはペニシリンが量産され,第二次世界大戦中の戦傷感染や肺炎の治療に大きく貢献した。その後,ストレプトマイシン,クロラムフェニコール,テトラサイクリンなどが次々と登場し,1950〜1970年代には“抗生物質の黄金時代”と呼ばれる革新期を迎えた。抗菌薬の登場は,20世紀における医療革命の1つとされ,多くの感染症から人類を救ってきた。その効果は劇的で人類の疾病構造を変え,寿命の改善に大きく貢献した。

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