特集 花粉症の疑問に答える
【治療】
抗ヒスタミン薬の使い分けは?
戸嶋 一郎
1
Ichiro Tojima
1
1滋賀医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
花粉症
,
鎮静作用
,
抗ヒスタミン点眼薬
,
患者満足度
Keyword:
花粉症
,
鎮静作用
,
抗ヒスタミン点眼薬
,
患者満足度
pp.1147-1150
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001782
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はじめに
抗ヒスタミン薬は,ヒスタミンH1受容体を遮断することでアレルギー症状を軽減する薬剤である。鼻アレルギー診療ガイドラインでも,通年性アレルギー性鼻炎や花粉症の治療において,軽症,中等症や重症・最重症のくしゃみ・鼻漏型に対し第2世代抗ヒスタミン薬が推奨され(花粉症では初期療法も),鼻閉型または充全型に対し第2世代抗ヒスタミン薬・血管収縮薬配合剤が推奨されている1)。また抗ヒスタミン薬はアレルギー性鼻炎に対する治療薬としてだけでなく,蕁麻疹や動揺病,めまい症などにも用いられており,われわれ耳鼻咽喉科医にとってなじみ深い薬剤となっている。したがって,その構造上の違いや副作用について熟知しておく必要がある。

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