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第1土曜特集 アトピー性皮膚炎の治療を網羅する
抗ヒスタミン薬
Antihistamine
千貫 祐子
1
Yuko CHINUKI
1
1島根大学医学部皮膚科学講座
キーワード:
抗ヒスタミン薬
,
補助療法
,
第二世代
,
非鎮静性
Keyword:
抗ヒスタミン薬
,
補助療法
,
第二世代
,
非鎮静性
pp.23-27
発行日 2024年10月5日
Published Date 2024/10/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291010023
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アトピー性皮膚炎(AD)は湿疹を主病変とする疾患であるため,治療の基本はステロイドをはじめとする抗炎症外用薬である.ただし,ADの病態形成に関与する瘙痒は,QOLの低下や掻破行動による皮膚症状の増悪をもたらし,病像の進行や皮膚感染症,また眼症状など合併症の誘因にもなりうるため,瘙痒のコントロールは治療・管理上重要である.このため瘙痒に対しては,まずは抗炎症外用薬に非鎮静性第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)内服治療を追加してみる価値がある.アレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎,蕁麻疹などの合併症を緩和する観点からも,抗ヒスタミン薬は外用治療の補助療法として推奨される.抗ヒスタミン薬は,製造された年代やヒスタミンH1受容体への親和性,脳内H1受容体占拠率などから第一世代と第二世代に分類されるが,眠気,インペアードパフォーマンス,倦怠感などが少なく,抗コリン作用のない非鎮静性第二世代抗ヒスタミン薬を使用するのが望ましい.
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