特集 おくすり比べてみました 知っておきたい!同種・同効薬の使いどころ
抗ヒスタミン薬
有吉 範高
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域 疾患薬理制御科学分野
pp.49-58
発行日 2023年1月5日
Published Date 2023/1/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023010010
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ヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)は,古くから蕁麻疹や皮膚瘙痒症などのアレルギー性皮膚疾患の治療薬として使用されてきたが,通年性アレルギーや季節性アレルギー(主に花粉症)における鼻症状,特にくしゃみや鼻汁にも有効であり,医療用医薬品だけでなく,鼻アレルギー症状改善の用途では,一般用医薬品でも汎用されている.
第二世代の抗ヒスタミン薬は,第一世代の欠点,すなわちムスカリンM1受容体への親和性による抗コリン作用,中枢抑制による鎮静(特に眠気)および効果が持続しないことへの改良が行われてきた.日本では,1983年頃より第二世代の抗ヒスタミン薬が上市され,2011年以降も新しい薬剤が承認され販売に至っている.
本稿では,第二世代の抗ヒスタミン薬のうち2010年以前に発売された薬剤と,それ以降に発売された薬剤について有効性と安全性の比較を中心に解説する.
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