特集 感覚器のリハビリテーション
聴覚障害のリハビリテーション診療
小児人工内耳のリハビリテーション
赤松 裕介
1
Yusuke Akamatsu
1
1東京大学医学部附属病院言語聴覚士
キーワード:
リハビリテーション
,
小児
,
人工内耳
Keyword:
リハビリテーション
,
小児
,
人工内耳
pp.647-650
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001618
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はじめに
人工内耳(cochlear implant:CI)による先天性重・高度聴覚障害児への聴覚補償の主目的は,音声を主体とした母語獲得にある。近年,新生児聴覚スクリーニングの普及により早期発見が可能となり,療育場面において十分な補聴器(hearing aid:HA)効果が得られない場合はCI装用が検討され,本邦では1歳から手術可能としている。早期のCI装用は,先天性重度聴覚障害児においても親子間における音声活動の活性化を容易にし,聴覚・音声機能の形成と音声言語獲得の可能性を拡げると考えられる。また,新生児聴覚スクリーニング同様に,早期のCI装用による社会的利益は費用対効果の点からも有用であることが報告されている1)。

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