今月の主題 平衡機能検査
話題
小児の人工内耳埋込術後のVEMPについて
金 玉蓮
1
Yulian JIN
1
1国立病院機構東京医療センター・感覚器センター
キーワード:
小児
,
人工内耳
,
VEMP
Keyword:
小児
,
人工内耳
,
VEMP
pp.1493-1497
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101823
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1.はじめに
人工内耳は高度難聴児の聴覚認知と言語発達に画期的な効果を与えている.鼓室階に電極を挿入すると内耳障害が生じ,残存聴力が失われることが少なくない.球形囊は蝸牛に最も近く,結合管により蝸牛とつながっている.このような形態学的特徴から,球形囊は人工内耳埋込術後に最も障害を受けやすい前庭器官と考えられる.
前庭誘発筋電位(vestibular evoked myogenic potential;VEMP)は球形囊-下前庭神経系に起源を持つとされ前庭機能検査の一つとして応用されるようになった.人工内耳埋込術前後のVEMPを記録することにより,術後の球形囊の機能変化を把握することが可能である.人工内耳のスイッチを入れた状態でVEMPを測定することで,術後の下前庭神経機能を評価することができる1,2).
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