綜説
眼外傷:眼窩骨折と視神経管骨折の画像検査を中心に
恩田 秀寿
1
1昭和大学医学部眼科学講座
キーワード:
眼窩壁骨折
,
眼窩底骨折
,
外傷性視神経症
,
視神経管骨折
Keyword:
眼窩壁骨折
,
眼窩底骨折
,
外傷性視神経症
,
視神経管骨折
pp.251-256
発行日 2023年3月5日
Published Date 2023/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003056
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眼外傷は視機能障害を生じる可能性が高い疾患群である。眼外傷は眼球外傷,眼窩外傷,眼瞼と付属器の外傷に大別できる1)。眼球外傷の代表は鈍的外力による眼球破裂と穿孔性外力による強角膜裂傷である。また,それらには同時に前房出血,水晶体脱臼,外傷性白内障,硝子体出血,網膜剥離,脈絡膜破裂,外傷性黄斑円孔などの眼球内合併症を生じることが多い。特に強角膜が裂傷している場合には眼球内の汚染による感染症が誘発される可能性が高いため裂傷部位の可及的速やかな縫合を必要とする。眼球内に刺入した異物も緊急手術の適応である。その他の眼合併症も放置により不可逆的な視機能障害を残す可能性があり,眼科医による外科的治療が必要となる。眼窩外傷の代表には鈍的外力による眼窩骨折,眼窩内出血,外傷性視神経症がある。また穿孔性外傷には木の枝などの腐食性眼窩内異物があり,同時に眼窩内出血を誘発している場合が多い。眼瞼は眼球を保護する臓器であり,鈍的外傷や裂傷により瞼板が断裂する。また眼瞼の内側には涙小管が走行しており,内眼角の裂傷後に流涙症を訴える場合には涙小管断裂が疑われ,これらも緊急手術の適応になる。
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