特集 てこずった症例・難治症例にどう対応するか
喉頭気管食道領域
プロボックス®抜去後の気管食道瘻孔の閉鎖に難渋した症例
真栄田 裕行
1
,
安慶名 信也
1
Hiroyuki Maeda
1
,
Shinya Agena
1
1琉球大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
キーワード:
下咽頭癌
,
voice prosthesis
,
DP皮弁
Keyword:
下咽頭癌
,
voice prosthesis
,
DP皮弁
pp.1105-1108
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001261
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はじめに
喉頭・下咽頭進行癌の根治手術において喉頭全摘を施行した場合の代用音声として,気管食道シャント造設およびvoice prosthesisが頻用されている。術式も確立されており,装用効果も高いものであるが,時に何らかの理由でいったん挿入されたvoice prosthesisが抜去されることがある。その場合,気管膜様部と食道を貫通する孔を閉鎖することになる。通常であれば粘膜同士は容易に接着し,あえて縫合せずとも自然閉鎖も期待できるが,進行下咽頭癌の場合にはアジュバント治療として,頸部にfull doseの放射線が照射されていることが多い。その場合創部は容易に接着せず,孔の閉鎖に難渋することがある。今回提示した症例も術後照射がなされており,瘻孔の閉鎖が困難であった。
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