連載 症例をどうみるか
下極型扁桃周囲膿瘍に対して即時口蓋扁桃摘出術が有効であった症例
中野 光花
1
,
宇田川 友克
1
,
吉川 衛
1
Mika Nakano
1
,
Tomokatsu Udagawa
1
,
Mamoru Yoshikawa
1
1東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科
キーワード:
下極型扁桃周囲膿瘍
,
即時口蓋扁桃摘出術
,
糖尿病
Keyword:
下極型扁桃周囲膿瘍
,
即時口蓋扁桃摘出術
,
糖尿病
pp.231-234
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000975
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はじめに
扁桃周囲膿瘍は口蓋扁桃周囲の間隙に形成された膿瘍で,頸部膿瘍の中で最も頻度が高い。扁桃周囲膿瘍の好発部位は上極であるが,下極に発症する例もあり,後者は解剖学的に喉頭や隣接した咽喉後間隙や傍咽頭間隙などの間隙に進展しやすく,重症化リスクが高い1)。また,口蓋扁桃下極は位置的に局所麻酔下での穿刺・切開や切開排膿後の洗浄などの処置を行うことが難しく,治療に難渋する場合が多い。今回,下極型扁桃周囲膿瘍に対して即時口蓋扁桃摘出術(以下,即時扁摘)が有効であった症例を経験したので提示する。
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