粒子線治療

はじめに

　放射線治療は，光子線治療と粒子線治療に大別される。X線やγ線は光子線に分類され現在放射線治療の主流となっている。一方粒子線には重粒子線，陽子線，電子線などが含まれる。特に重粒子線や陽子線はブラッグピークと呼ばれるエネルギーの放出を起こし，停止する特性を持ち光子線と比較して線量集中性に優れる（図1）。そのため，光子線よりも高線量投与が可能であれば，腫瘍制御の向上が期待でき，また同等の線量投与であれば有害事象の軽減が期待できる。