増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!
【疾患編3】周産期
《妊婦のコモンディジーズ》
単純ヘルペスウイルス感染症
川名 尚
1
1帝京大学医学部附属溝口病院産婦人科
pp.255-260
発行日 2018年4月20日
Published Date 2018/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209348
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外来管理のポイント
❖単純ヘルペスウイルスの感染症(主として性器ヘルペス)であることを臨床症状だけでなく,病変部から検体を採取し病原診断を用いて確定すること.病原診断で陰性であるからといって性器ヘルペスを否定せず,臨床経過や血清診断(型特異抗体の検出)も参考にする.現病歴や既往歴によって初発か再発かを決めること.この際,血清抗体(IgG抗体,IgM抗体)を参考にするとよい.
❖治療はバラシクロビル,アシクロビルの経口投与を用いる.ただし,妊娠初期はアシクロビル軟膏を用いる.
❖母子感染(産道感染)を予防するための分娩様式は,初発例では発症より1か月以内,再発例では1週間以内の場合は帝王切開分娩が推奨される.筆者は性器ヘルペス合併妊婦に,妊娠36週から分娩まで性器ヘルペス再発抑制療法を一律に行うのではなく,症例を選択して行うのがよいのではないかと考えている.
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