特集 重症化に注意! 口腔・咽頭・喉頭の急性感染症
深頸部感染症
深頸部感染症の合併症とその対応 嚥下障害
平野 愛
1
,
太田 淳
1
Ai Hirano
1
,
Jun Ota
1
1東北大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
深頸部感染症
,
合併症
,
嚥下障害
Keyword:
深頸部感染症
,
合併症
,
嚥下障害
pp.1499-1502
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000381
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はじめに
嚥下障害(切開排膿後)は深頸部感染症において高頻度に発生する合併症の1つであり,嚥下障害による経口摂取再開の遅れは急性期治療後に入院が長期化する要因の1つでもある。深頸部感染症では,発症後に21.2~64.7%の症例で嚥下障害,嚥下困難の症状を呈し1~3),急性期治療後の嚥下機能評価で35.7%に嚥下障害を合併すると報告されている4)。併存症として糖尿病がある場合には膿瘍腔の範囲が拡大しやすく入院が長期化する傾向があり5),舌骨を越える膿瘍の進展がある症例,気管切開術が行われている症例では特に嚥下障害のリスクが高いことが報告されている6)。
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