特集 重症化に注意! 口腔・咽頭・喉頭の急性感染症
深頸部感染症
深頸部感染症の合併症とその対応 縦隔炎
木村 朱里
1
Akari Kimura
1
1北里大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
深頸部感染症
,
合併症
,
降下性壊死性縦隔炎
,
縦隔ドレナージ
,
重篤化
Keyword:
深頸部感染症
,
合併症
,
降下性壊死性縦隔炎
,
縦隔ドレナージ
,
重篤化
pp.1487-1490
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000378
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はじめに
降下性壊死性縦隔炎(descending necrotizing mediastinitis:DNM)は深頸部感染症が頸部筋膜間隙に沿って縦隔まで波及した状態であり,1938年にPearseが初めて病態を報告し1),1983年にEstreraらによって名称を提唱された2)。1980~1990年代には致死率は30~40%とされていたが,21世紀以降は抗菌薬の発達や適切な集中治療室(intensive care unit:ICU)での管理により10~20%と減少している1~4)。深頸部感染症初診時には重篤な症状を認めない場合もあるが,いったんDNMに至ると縦隔ドレナージや長期の入院治療を要する。耳鼻咽喉科医として早期の診断,迅速な対応が必要となる疾患である。
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