特集 重症化に注意! 口腔・咽頭・喉頭の急性感染症
扁桃周囲膿瘍
扁桃周囲膿瘍に対する穿刺・切開法
倉田 耀介
1
,
吉岡 哲志
1
Yosuke Kurata
1
,
Satoshi Yoshioka
1
1藤田医科大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
キーワード:
扁桃周囲膿瘍
,
切開排膿
,
穿刺排膿
Keyword:
扁桃周囲膿瘍
,
切開排膿
,
穿刺排膿
pp.1438-1440
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000367
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はじめに
日常診療において,扁桃周囲膿瘍は遭遇する頻度の高い疾患の1つである。同疾患に対する治療は抗菌薬等の内科的治療と切開・穿刺排膿の外科的治療に大きく分けられる。膿瘍腔が比較的小さいものなどは抗菌薬による内科的治療により改善が見込める場合もある1)が,膿瘍腔が大きいものや急速な経過をたどっているもの,あるいは先行する保存的治療が無効な場合には外科的処置が必要となる場合が多い1)。適切な外科的処置により深頸部膿瘍や縦隔膿瘍といった,より重篤な状況への移行を防ぎうることを理解し,遅滞なく処置を行うことが肝要である1~4)。なお外科的処置は患者にとっては苦痛を伴う処置でもあり,その内容とともに必要性,重要性についても適切に患者に説明できる必要がある。
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