Japanese
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特集 冬の皮膚病
Topics
小児新型コロナウイルス感染症による川崎病様症状と川崎病
Multisystem inflammatory syndrome in children and Kawasaki disease
髙橋 啓
1
Kei Takahashi
1
1東邦大学医療センター大橋病院病理診断科
1Department of Pathology, Toho University Medical Center Ohashi Hospital
キーワード:
川崎病
,
COVID-19
,
SARS-CoV2
,
MIS-C
,
PIMS-TS
Keyword:
川崎病
,
COVID-19
,
SARS-CoV2
,
MIS-C
,
PIMS-TS
pp.1041-1045
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002209
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中国武漢から始まった新型コロナウイルス(SARS-CoV2)感染症は瞬く間に世界中に拡大した.英国南東部のある地域でCOVID-19の流行から1カ月ほどが経過した2020年4月,10日間のうちに8名もの小児がhyperinflammatory shockをきたし集中治療室管理が必要となったことが報告され,SARS-CoV2感染症と小児の重症炎症性症候群との関連が指摘された1).さらにはフランス,イタリア,スペインなど欧州各国,そして,ニューヨーク州を中心とした米国からも100例を超える小児重症炎症性症候群の報告がなされ,これら疾患はpediatric inflammatory multisystem syndrome temporally associated with SARS-CoV2(PIMS-TS),multisystem inflammatory syndrome in children(MIS-C)と呼ばれた(以下,PIMS-TS/MIS-C).このSARS-CoV2感染に関連する多臓器炎症性症候群患者の中に不全型を含む川崎病の診断基準を満たす患者が存在することが明らかになり,本ウイルス感染症と川崎病との関連が注目され報道でも大きく取り扱われることになった.ここではPIMS-TS/MIS-Cの特徴,本疾患で観察される川崎病様症状と従来の川崎病との異同について考えてみたい.
(「はじめに」より)
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