Japanese
English
特集 CKD-MBD ―進歩と革新
CKD-MBDの病態
CKDの骨格筋障害の病態形成機序
Mechanisms of CKD-induced sarcopenia
丸山 徹
1
,
田中 元子
2
,
渡邊 博志
3
MARUYAMA Toru
1
,
TANAKA Motoko
2
,
WATANABE Hiroshi
3
1熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)薬剤学分野
2医療法人社団松下会あけぼのクリニック
3熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)医療情報薬学分野
キーワード:
CKD誘発サルコペニア
,
アルブミン酸化度
,
尿毒症物質
,
臓器連関
Keyword:
CKD誘発サルコペニア
,
アルブミン酸化度
,
尿毒症物質
,
臓器連関
pp.567-572
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001866
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はじめに
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は早期老化の表現型として位置づけられており,CKD誘発サルコペニア(尿毒症サルコペニア:uremic sarcopenia)はその典型例である。このようなCKDとサルコペニアの密接な関連性は,人工知能の機械学習を用いた慢性疾患と生物学的臓器年齢に関する包括的解析によっても裏づけられている1)。わが国の調査研究では,保存期患者の30%以上,維持透析患者の70%で筋萎縮の兆候(プレサルコペニアを含む)が認められている。また,韓国での11,625人を対象とした研究では,CKDのステージが上昇するごとにサルコペニアの罹患率が上昇することが報告されている2)。透析患者を対象とした観察研究では,骨格筋量の低下がQOLや日常生活動作(ADL)へ悪影響を及ぼすだけでなく,生命予後を悪化させることも示されている。このようなエビデンスの集積によって,CKD誘発サルコペニア対策が重要視されるようになってきた。

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