腎臓リハビリテーションを楽しむために

To enjoy renal rehabilitation

はじめに

　日本の高齢者人口は増加の一途をたどり，2024年9月15日時点で，65歳以上人口は3,625万人と過去最多となり，総人口に占める割合も29.3％と過去最高を認める^1）。一方，慢性腎臓病（chronic kidney disease：CKD）患者1,480万人のうち，65歳以上は男性の約30％，女性の約40％と，高齢CKD患者の割合は高い^2）。また，わが国の透析患者の平均導入年齢は69.87歳と上昇し，80歳以上の透析導入患者は31.3％を占めるなど高齢化が進んでいる^3）。腎臓病患者の高齢化に加え，腎臓病における尿毒症・代謝性アシドーシス・インスリン抵抗性・栄養障害・食事制限など，腎疾患の病態や固有の問題，加えて糖尿病・高血圧・動脈硬化症・心血管疾患などの併存合併症の影響などにより，腎疾患患者においてはフレイル・サルコペニアが進行しやすく，生命予後が低下するだけでなく，健康寿命が損なわれる深刻な問題に直面し続けている。