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特集 腎疾患の診断と治療 最前線
II.各論1:糸球体疾患(診断と治療)
16.菲薄基底膜病(良性家族性血尿)
Thin basement membrane nephropathy(benign familial hematuria)
山村 智彦
1
,
野津 寛大
1
Yamamura Tomohiko
1
,
Nozu Kandai
1
1神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野
キーワード:
菲薄基底膜病
,
良性家族性血尿
,
Alport症候群
,
thin basement membrane
Keyword:
菲薄基底膜病
,
良性家族性血尿
,
Alport症候群
,
thin basement membrane
pp.151-154
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001590
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1 はじめに
菲薄基底膜病(thin basement membrane nep-hropathy:TBMN)は,臨床的に血尿のみ,もしくは血尿に加えて軽度の蛋白尿を有し,病理組織所見において糸球体基底膜の広範な菲薄化を認める疾患である。また,良性家族性血尿(benign familial hematuria)はTBMNの臨床症状に加えて,常染色体顕性の家族歴を有する患者に慣習的に用いられてきた臨床的概念である。TBMN自体も家族歴を有することが多く,両者はほぼ同義として使用されてきた歴史があるものの,TBMNと診断された患者がその後腎機能障害を呈したり,その後の腎生検において巣状分節性糸球体硬化症(focal segmental glomerulosclerosis:FSGS)所見を呈したりすることが知られるようになり1),現在は“良性”家族性血尿という用語の使用は推奨されなくなっている。
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