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特集 病理からせまる腎疾患の病因・病態解明
総論
尿細管間質病変 間質線維化からの鑑別診断・病理診断
Pathology of interstitial fibrosis in kidney
種田 積子
1
TANEDA Sekiko
1
1東京女子医科大学病理診断科
キーワード:
interstitial fibrosis
,
間質線維化
,
尿細管萎縮
,
部位
Keyword:
interstitial fibrosis
,
間質線維化
,
尿細管萎縮
,
部位
pp.370-376
発行日 2024年9月25日
Published Date 2024/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001456
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はじめに
間質線維化は,膠原線維と細胞外基質の蓄積による組織の修復反応であり,腎臓では尿細管萎縮とともに認めることが多い。腎移植病理診断基準であるBanff分類では,皮質間質の線維化と尿細管萎縮を,拒絶に関係しない非特異的な組織傷害としてinterstitial fibrosis and tubular atrophy(IF/TA)と包括的に呼称する。最近では,固有腎でもIF/TAの概念を用いており,腎生検患者の腎臓生存率と相関している1)。線維化は,尿細管や間質が直接傷害を受ける場合,糸球体硬化や血管病変による二次的な場合,それらの複合による場合などで生じる。腎生検検体で線維化をみた場合,線維化の部位が非常に重要になるが,それに加えて周辺の尿細管や血管,糸球体病変所見などを組み合わせてその成因を推測する。本稿では,線維化の分布をもとに,clueとなる血管,糸球体,尿細管間質病変をあわせて概説する。
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