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特集 補体と腎疾患:温故知新
腎疾患への抗補体薬の作用機序と有効性
アバコパン
Avacopan
竹内 陽一
1
,
廣村 桂樹
1
TAKEUCHI Yoichi
1
,
HIROMURA Keiju
1
1群馬大学大学院医学系研究科腎臓・リウマチ内科学
キーワード:
アバコパン
,
ADVOCATE試験
,
ANCA関連血管炎
,
C5a受容体阻害薬
Keyword:
アバコパン
,
ADVOCATE試験
,
ANCA関連血管炎
,
C5a受容体阻害薬
pp.109-112
発行日 2024年7月25日
Published Date 2024/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001402
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はじめに
アバコパン(開発コードCCX168)は米国ChemoCentryx社(現Amgen社)により開発されたC5a受容体阻害薬であり,抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)関連血管炎の顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA),多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)の治療薬として2022年5月に保険収載された。アバコパンは補体第二経路をブロックすることから,自然免疫を制御する薬剤である。これまでANCA関連血管炎の治療では,シクロホスファミドや抗CD20抗体製剤のリツキシマブ(rituximab:RTX)などによる獲得免疫抑制と,大量のグルココルチコイド(glucocorticoid:GC)による自然免疫の制御が行われてきた。しかし,アバコパンの登場によって,GCの大幅な減量や中止が可能となった。本稿では,アバコパンを用いた大規模臨床試験であるADVOCATE試験を中心にこれまでの成果を紹介し,今後の課題や注意点について解説する。
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