Japanese
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特集 サイコネフロロジー:透析・移植
各論
患者のメンタルヘルス 透析患者の精神疾患―うつ病―
Psychiatric disorders in dialysis patients:depression
渡辺 俊之
1,2
WATANABE Toshiyuki
1,2
1渡辺医院/高崎西口精神療法研修室
2日高病院
キーワード:
うつ病
,
PHQ-9
,
バイオサイコソーシャルモデル
,
病いの物語
Keyword:
うつ病
,
PHQ-9
,
バイオサイコソーシャルモデル
,
病いの物語
pp.291-296
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001227
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はじめに
それまで,日本のうつ病有病率は7.9%だったが,新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)の流行下(以下,コロナ禍)には17.3%に増加したことを経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development:OECD)が調査・報告した1)。これに対し慢性腎不全(chronic kidney disease:CKD),末期腎不全(end-stage renal disease:ESRD),血液透析(hemodialysis:HD)患者のうつ病有病率は,コロナ前から海外の報告では20%と高率であるが2),コロナ禍の透析患者のうつ病有病率はCovid-19パンデミックの影響をそれほど受けなかったとオランダの調査において報告されている3)。その理由として,透析患者はうつ病の有病率が従来よりも高いこと,透析を行っているために行動範囲が限定的だったことが挙げられている。
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