連載 Focus On
うつ病を生じやすい身体疾患や薬剤
音羽 健司
1
1帝京大学医学部附属病院メンタルヘルス科
キーワード:
DSM
,
PHQ-9
,
支持的精神療法
,
コンサルテーション・リエゾン
Keyword:
DSM
,
PHQ-9
,
支持的精神療法
,
コンサルテーション・リエゾン
pp.162-166
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_162
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本稿ではうつ病とその要因となる身体疾患や薬剤について概説する.うつ病では抑うつ気分や興味の減退などの症状がみられるが,身体疾患や薬剤によっても同様の症状が出現することもあるため,正確なうつ病診断のためにはこうした影響を除外する必要がある.うつ病を合併する身体疾患としては中枢神経疾患や代謝疾患などがあり,とくに脳卒中や糖尿病,心不全などの慢性疾患ではうつ病の合併率が高い.また,薬剤ではインターフェロンやステロイドなどで抑うつ症状を引き起こすことが示されている.その場合の治療については薬剤の見直し・中止が推奨されるが,身体疾患に合併するうつ病や,薬剤変更が困難な場合には,並行して抗うつ薬での治療を行うとともに,精神療法の適用を考慮するなど,総合的に判断することが肝要である.
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