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特集 糖尿病性腎症研究の最前線
病態・疫学
糖尿病の腎予後マーカーとしてのTNF受容体
TNF receptor as a marker of renal prognosis in patients with diabetes
合田 朋仁
1
GOHDA Tomohito
1
1順天堂大学腎臓内科
キーワード:
糖尿病関連腎臓病
,
バイオマーカー
,
TNF受容体
Keyword:
糖尿病関連腎臓病
,
バイオマーカー
,
TNF受容体
pp.187-191
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001193
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はじめに
糖尿病関連腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)の診療では,どのようなバイオマーカーが必要なのだろうか? 早期診断,腎予後予測,合併症(心血管疾患,心不全など)発症予測,ほかの腎疾患との鑑別,治療反応性などさまざまなバイオマーカーが必要である(表)。また,バイオマーカーの特性としては,簡便かつ反復評価可能なものが望ましい。糖尿病患者の約半数は慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)であり,もし,これらの患者に腎生検を行えば,多くの臨床情報を得ることは可能である。しかし,DKDの患者数を考慮すると非現実的である。さらに,腎生検は侵襲的であり,反復して行う検査としては不適切である。よって,腎生検だけに頼らないバイオマーカー開発は不可欠である。これまで,さまざまな目的に応じたバイオマーカーが報告されてきているが,日常臨床で使用されているバイオマーカーは,いまだアルブミン尿,推算糸球体濾過量(estimated glomerular ltration rate:eGFR)のみである。これらを補足する,あるいは代替するバイオマーカーが実臨床で使用可能になることが強く望まれる。
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