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CASE
患者:50代、男性。
現病歴:15年前に2型糖尿病と診断された。10年前に糖尿病性神経障害、5年前に糖尿病網膜症を指摘され、3年前よりアルブミン尿が出現し、高血圧も認められた。かかりつけ医にてDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、カルシウム拮抗薬を継続されていたが、転勤による治療中断も多く、血糖管理不十分、降圧目標不達成であった。1年前より血清クレアチニン(Cr)値の上昇傾向を認め、腎臓専門医療機関に紹介された。
身体所見・検査所見:BMI 27kg/m2、血圧160/90mmHg、血清Cr 1.2mg/dL、eGFR 50mL/分/1.73m2、HbA1c 7.4%、LDL-C 140mg/dL、K 4.5mEq/L、尿中アルブミン・Cr比200mg/g。
経過:本CASEの腎障害(CKD G3aA2)は、長期の糖尿病罹病期間、糖尿病性神経障害ならびに糖尿病網膜症の合併を背景として、アルブミン尿の増加に続いてeGFRが低下していることから、糖尿病性腎症/糖尿病関連腎臓病(DKD)の臨床経過に、腎硬化症の併存、レニン-アンジオテンシン(RA)系阻害薬使用の影響などが包含された病態と推察された。現行のガイドラインにおける心腎保護を目的とした治療推奨をふまえてSGLT2阻害薬が導入され、投与初期のeGFR低下(initial drop)を認めたが、尿中アルブミン・Cr比は100mg/gまで減少した。さらなるアルブミン尿の改善、腎機能障害の進展抑制、肥満の是正、厳格な血糖・血圧・脂質コントロールを目的として、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬、(血清カリウム値が正常であることを確認して)非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)、スタチンが導入された。

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