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特集 腎移植2023:最新の動向とトピックス
トピックス
慢性拒絶反応と尿中エクソソーム
Urinary exosomal analysis for chronic kidney allograft rejection
原田 浩
1
HARADA Hiroshi
1
1はらだ腎泌尿器クリニック
キーワード:
腎移植
,
慢性拒絶反応
,
エクソソーム
,
尿
,
バイオマーカー
Keyword:
腎移植
,
慢性拒絶反応
,
エクソソーム
,
尿
,
バイオマーカー
pp.787-791
発行日 2023年12月25日
Published Date 2023/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001127
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はじめに
腎移植の生着は近年安定しているが,一定の割合で移植腎はその機能を喪失する。移植腎糸球体症(transplant glomerulopathy:TG),間質の線維化/尿細管萎縮(interstitial fibrosis/tubular atrophy:IFTA),原疾患の再発,そして慢性拒絶反応(chronic rejection:CR)が主たる理由である。CRには慢性活動性T細胞性拒絶反応(T cell-mediated rejection:TCMR)およびドナー特異的抗体(donor specific antibody:DSA)による慢性活動性抗体関連拒絶反応(chronic active antibody-mediated rejection:caAMR)がある(図1)1)。後者は,いまだ確立された治療がなく,その原因となるDSAも消去することは困難であることから,DSA産生以前の移植腎の,免疫状態および移植腎障害を適格に把握し対応することが理想である。このためのバイオマーカー(biomarker:BM)ソースとして尿は非侵襲的で理想であり,なかでもエクソソームに代表される細胞外小胞(extracellular vesicles:EVs)は種々の情報を含みcaAMR早期診断のBMとして期待がもたれる2,3)。
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