Japanese
English
特集 腎不全合併症に関する最近の進歩
腎移植 急性拒絶反応
Acute rejection
田邉 起
1
,
佐々木 元
1
,
辻 隆裕
2
TANABE Tatsu
1
,
SASAKI Hajime
1
,
TSUJI Takahiro
2
1市立札幌病院腎臓移植外科
2同病理診断科
キーワード:
腎移植
,
拒絶反応
,
治療
,
病理
Keyword:
腎移植
,
拒絶反応
,
治療
,
病理
pp.676-680
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001325
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はじめに
末期腎不全に対する治療として1950年代より開始された腎移植は,免疫抑制薬の進歩や手術技術の安定化により,その成績が向上し,現在では腎代替療法の1つとして推奨されている。わが国においても腎移植件数は増加を続けており,2023年の移植件数は2,000件に達し,移植患者の10年生存率は生体腎で90.7%,献腎で83.5%,移植腎10年生着率は生体腎で81.1%,献腎で74.2%と良好な成績を得ている1)。しかし,少ないながらも移植腎に対する拒絶反応は発生し,移植腎機能廃絶や患者死亡の原因となっている。移植医療がさらなる向上を続けるためには,拒絶反応のメカニズムや治療などを理解することが不可欠である。本稿では拒絶反応の診断の概要と,急性T細胞性拒絶反応(acute T cell-mediated rejection:aTCMR),活動性抗体関連型拒絶反応(active antibody-mediated rejection:aABMR)の機序,治療について論じる。
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