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特集 病理からせまる腎疾患の病因・病態解明
総論
移植腎 拒絶反応の病理診断と鑑別
Pathology for rejection and differential diagnosis on transplant kidney
小池 淳樹
1,2
,
三浦 健一郎
2
KOIKE Junki
1,2
,
MIURA Kenichiro
2
1聖マリアンナ医科大学病理学診断病理分野
2東京女子医科大学腎臓小児科
キーワード:
腎移植
,
拒絶反応
,
Polyomavirus腎症
,
移植後リンパ増殖性疾患
Keyword:
腎移植
,
拒絶反応
,
Polyomavirus腎症
,
移植後リンパ増殖性疾患
pp.409-415
発行日 2024年9月25日
Published Date 2024/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001462
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はじめに
腎移植の拒絶反応の病理診断は,組織障害パターン(光学顕微鏡所見)にC4d免疫組織化学〔蛍光抗体法(immunofluorescence:IF)〕所見または免疫染色所見および電子顕微鏡所見を加味して行われる。現在,腎移植の病理診断に広く用いられているBanff分類1)では,拒絶反応は,T細胞性拒絶反応(T-cell-mediated rejection:TCMR)と抗体関連型拒絶反応(antibody-mediated re-jection:ABMR)に大別され,それぞれに急性(acute)あるいは活動性(active)と慢性活動性(chronic active)の時間的尺度を考慮して,急性T細胞性拒絶反応,慢性活動性T細胞性拒絶反応,活動性抗体関連型拒絶反応,慢性活動性抗体関連型拒絶反応および活動性あるいは慢性活動性抗体関連型拒絶反応治療後に残存する組織障害(慢性非活動性抗体関連型拒絶反応)の5型に分類される。本稿では,この5型の拒絶反応の病理所見を示し,拒絶反応を診断する際に考慮すべき鑑別診断について概説する。
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