Japanese
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特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅴ.AKI
1.腎前性AKI
Prerenal AKI
平和 伸仁
1
Hirawa Nobuhito
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター腎臓・高血圧内科
キーワード:
AKI
,
腎前性
,
低血圧
,
脱水
,
輸液
Keyword:
AKI
,
腎前性
,
低血圧
,
脱水
,
輸液
pp.338-343
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001053
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1 病因・病態
急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は,突然GFR(糸球体濾過値)が低下する病態であり,以前は急性腎不全とよばれていた疾患である。しかし,その定義が複数存在し研究が進まなかったが,軽度の腎機能の急激な低下でも,患者の生命予後に大きな影響を与える事が明らかになり,2002年,Acute Dialysis Quality Initiative(ADQI)コンセンサス・カンファレンスにおいて,急性腎不全の新しい定義が提唱された(RIFLE分類:Risk/Injury/Failure/Loss/End-stage)1)。さらに内科系の医師も加わり2005年にAcute Kidney Injury Network (AKIN)が結成され,急性腎不全を形態的かつ機能的な腎障害と捉え,新しく “acute kidney injury(AKI)” という名称と概念を提唱した(AKIN分類:AKI Network)2)。ここにAKIという言葉が確立したのであるが,AKIN分類は脱水がない状態での評価であり,院外発生でのクレアチニン(Cr)の上昇が除外される例が多くなる。そこで,より簡便で使いやすい定義が2012年にKDIGOより提唱され現在に至っている3)。
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