Japanese
English
特集 CKD-MBDの新しい潮流
CKD-MBDの病態
骨量減少のメカニズム
Mechanism of bone loss
木村 聡一郎
1
,
伊東 伸朗
1
KIMURA Soichiro
1
,
ITO Nobuaki
1
1東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科/骨粗鬆症センター
キーワード:
CKD-MBD
,
骨粗鬆症
,
骨質
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
骨リモデリング
Keyword:
CKD-MBD
,
骨粗鬆症
,
骨質
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
骨リモデリング
pp.272-276
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000865
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はじめに
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は一般人口の約10%を占める非常に頻度の高い病態であり,CKD症例では,骨折リスクが通常と比較して4~5倍に上昇することが知られている1)。またCKD症例では骨折後の死亡率が著しく高く,例えば,血液透析患者では股関節骨折後1年間の死亡率は64%に達する2)。一般的に骨粗鬆症は骨折の最大のリスクであるが,CKD症例では合併する病態や日常生活動作(activities of daily living:ADL)低下に伴う転倒リスク上昇に加えて,CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-mineral and bone disorder:CKD-MBD)や,尿毒症性骨粗鬆症といったCKDに特有の骨質の低下が併存することも骨折率が高い原因と考えられる。本稿ではCKDにおける骨粗鬆症の特徴と,そのなかでも特に骨量低下や骨質の低下を惹起するメカニズムに関して概説する。
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