サルコペニアと骨代謝
無重力と骨量減少・サルコペニア
大島 博
1
1宇宙航空研究開発機構 宇宙医学生物学研究室
キーワード:
生物学的マーカー
,
Calcium
,
Diphosphonates
,
骨吸収
,
骨粗鬆症
,
骨密度
,
体育とトレーニング
,
宇宙飛行士
,
骨組織リモデリング
,
無重力
,
化学予防
,
筋力増強訓練
,
骨萎縮
,
寝たきり高齢者
Keyword:
Bone Resorption
,
Diphosphonates
,
Osteoporosis
,
Physical Education and Training
,
Biomarkers
,
Weightlessness
,
Bone Density
,
Astronauts
,
Chemoprevention
,
Bone Remodeling
,
Calcium
pp.149-155
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2013172557
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宇宙飛行の骨量減少率は,大腿骨近位部で1~2%/month(12~24%/year)と骨粗鬆症の約10倍に相当する.宇宙飛行や長期臥床では,骨吸収が亢進し,骨吸収と骨形成のアンカップリングが生じ骨量は減少し,尿中カルシウム排泄は増加する.適切な栄養,効果的な運動,および有効な薬剤を組み合わせれば,宇宙飛行の骨量減少と尿路結石のリスクは軽減できる.無重力の宇宙飛行では,抗重力筋が随意筋よりも萎縮しやすく,遅筋の速筋化が生じる.また,長期臥床の筋萎縮は,下腿三頭筋と大腿四頭筋に著しい.加齢による筋萎縮は60歳を過ぎると顕著となる.筋萎縮の対策として,宇宙飛行士は有酸素運動と筋力運動からなる運動プログラムを毎日実施し,体力と体調を維持向上させている.
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