Japanese
English
特集 CKD-MBDの新しい潮流
CKD-MBD関連因子がもたらす臓器障害
尿細管障害とcalcium phosphate microcrystals
Renal tubular damage induced by calcium phosphate microcrystals
黒尾 誠
1
KURO-O Makoto
1
1自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部
キーワード:
calciprotein particle(CPP)
,
fibroblast growth factor-23(FGF23)
,
推定原尿中リン濃度(ePTFp)
,
toll-like receptor-4(TLR4)
Keyword:
calciprotein particle(CPP)
,
fibroblast growth factor-23(FGF23)
,
推定原尿中リン濃度(ePTFp)
,
toll-like receptor-4(TLR4)
pp.277-282
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000866
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はじめに
ラットに高リン食を与えると数週間から数カ月の経過で尿細管障害や間質の炎症・線維化などの腎障害が発生することは,ほぼ1世紀前から知られていた1)。また,腎障害の重症度はネフロン当たりのリン排泄量と相関することも指摘されていた2)。しかし,このリンによる腎障害のメカニズムや,ヒトの腎老化や慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)との関係については不明であった。最近筆者らは,リン過剰摂取による腎障害の分子機構を明らかにし,ヒトでもリンによる腎障害がCKDの発症・進行に寄与する可能性を見出したので,本稿で解説する。
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