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特集 高血圧の病態と管理の最前線
総論
公衆衛生による高血圧の予防と管理:ポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチ
Public health strategies for prevention and control of hypertension:a population approach and high-risk approach
久松 隆史
1
,
三浦 克之
2,3
HISAMATSU Takashi
1
,
MIURA Katsuyuki
2,3
1岡山大学学術研究院医歯薬学域公衆衛生学分野
2滋賀医科大学NCD疫学研究センター予防医学部門
3滋賀医科大学NCD疫学研究センター社会医学講座公衆衛生学部門
キーワード:
ポピュレーションアプローチ
,
ハイリスクアプローチ
,
高血圧
,
公衆衛生
Keyword:
ポピュレーションアプローチ
,
ハイリスクアプローチ
,
高血圧
,
公衆衛生
pp.145-149
発行日 2023年8月25日
Published Date 2023/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000834
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はじめに
高血圧は,わが国における脳心血管病の最大のリスク因子であり,また日常診療で最もよく遭遇する疾患である。国民健康・栄養調査のデータに基づいた推計では,2017年のわが国の高血圧者は約4300万人であった1)。多くの疫学研究が示すように,非正常血圧による脳心血管病の過剰死亡・発症の半数以上はⅠ度高血圧以下の比較的軽度の範囲から認められる。したがって,高血圧の予防と管理には,高血圧者を対象とするだけでなく,国民全体の血圧分布を低い方向にシフトさせるポピュレーションアプローチが重要となってくる。本稿では,公衆衛生の観点から高血圧対策におけるポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチを中心に概説する。
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