高齢社会における泌尿器診療

Urological practice in an aging society

はじめに

　わが国の2022年における総人口は前年に比べ82万人減少している一方で65歳以上の人口は前年より6万人増加し，過去最多となった。総人口に占める高齢者人口割合は29.1％であり，2位であるイタリアの24.1％を大きく上回り世界一の超高齢社会である。超高齢社会では政治，社会や医療を含めたさまざまな分野で長期を見据えた対応が求められている。医療に関しては加齢による身体的機能低下症であるフレイルやサルコペニアが高齢者の健全な社会生活を大きく損なわせることから，対応すべき重要な問題であると考えられる。