Japanese
English
特集 尿細管と腎線維化
【臨床と病理】
糖尿病と腎線維化
Diabetes mellitus and kidney fibrosis
森 槙子
1
,
森 雄太郎
1
MORI Makiko
1
,
MORI Yutaro
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻器官システム制御学講座腎臓内科学分野
キーワード:
糖尿病性腎臓病
,
糖尿病性腎症
,
糖尿病
,
慢性腎臓病
,
KIM-1
Keyword:
糖尿病性腎臓病
,
糖尿病性腎症
,
糖尿病
,
慢性腎臓病
,
KIM-1
pp.890-893
発行日 2022年12月25日
Published Date 2022/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000555
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
糖尿病性腎臓病は,糖尿病による主要な合併症の1つであり,慢性腎臓病の非常に重要な原因疾患である。わが国では,透析療法の導入を要する末期腎不全の約40%を占める最大原因となっている。かつては,糖尿病による顕性アルブミン尿を伴う腎合併症として「糖尿病性腎症」という呼ばれ方をすることが多かったが,糖尿病のために顕性アルブミン尿を伴わないまま糸球体濾過量が低下する非典型的な糖尿病関連腎疾患をも含んで,「糖尿病性腎臓病」と総称されるようになってきている。20年来,糖尿病性腎臓病は,糸球体を病態の首座とする疾患と考えられてきたが,近年,近位尿細管で糸球体病変に先行するさまざまな変化が起きていることが報告されている。分子病態の解明も徐々に進み,治療薬も開発されてきている。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.