特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで
【Ⅱ章】基本が大事!ちゃんとできてる?“おさらい”糖尿病診療
❷糖尿病患者が定期的に行ったほうがよい検査
及川 洋一
1
,
島田 朗
1
1埼玉医科大学 内分泌・糖尿病内科
キーワード:
尿中アルブミン排泄量
,
微量アルブミン尿
,
糖尿病性腎症
,
糖尿病性腎臓病
,
DKD
Keyword:
尿中アルブミン排泄量
,
微量アルブミン尿
,
糖尿病性腎症
,
糖尿病性腎臓病
,
DKD
pp.293-295
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204197
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Case
尿中アルブミン排泄量の定期測定によって早期に糖尿病性腎症第2期と診断し、治療介入により腎症の寛解がみられた一例
患者:47歳、男性
現病歴:39歳の時、健診を契機に2型糖尿病と診断された。著明な肥満があり、高血圧症も認めたため、ビグアナイド薬とカルシウム拮抗薬が開始されたが、近年はHbA1c 8%前後、血圧150/100mmHg程度と、血糖・血圧ともにコントロール不良であった。
半年に1回の頻度で定期的に尿アルブミン排泄量を測定していたところ、46歳の時に2回続けて100mg/gCr台となり(eGFRは60mL/分/1.73m2程度)、糖尿病性腎症第2期と診断した。ただちにSGLT2阻害薬を開始した結果、肥満の是正とともにHbA1cは6%台にまで改善し、塩分制限(1日6g)とARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)の追加投与によって、血圧は120/80mmHg程度で推移した。1年後には腎症第1期への寛解がみられた。
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